2014.3.31[Mon]
『22年前のデッサン』

残念ながら現物は紛失しているのだが、
これは22年前、浪人時代に描いたデッサンである。

浪人時代…。
ある意味、あれだけ集中して絵に打ち込んだ時期は他にないであろう。
それは、どう足掻いても思うように描けず、打ちのめされ、
無理矢理、発奮しては再び挑む…という繰り返しをするしかなかった
当時の私の心情から来ているのかもしれない。

苦く、笑える思い出でもあるのだが、
長きに渡ってどうにも抜け出せないスランプに陥り、
受験を3ヵ月後に控えた予備校のコンクールで
見事に最下位を取ったこともある。
その時ばかりは挫けそうになり、授業をさぼって映画館で一日過ごした。
それでも、生意気に、純粋に、プライドだけは人一倍あった。
全く、困った奴だ…。

このデッサンは受験直前に牛頭骨を描いたもので、
稚拙な部分もあるとは思うが、私なりに思い出深いものがある。
ただ、若かりし頃の自分の内面を見透かされるような気恥ずかしさが
同居しているのも確かである。

対象を在るが儘に観察し、在るが儘に描くということは今でも難しい。
常に溌剌たる嗜好と尺度を持ち続ける事が容易でないのと同じなのだろう。

次回の個展のキーワードとなる「黄金」…
そこに美しいデッサン(光と影)を見い出せたらと思っている。

2014.3.21[Fri]
『黄金の春』

久々のメッセージ更新である。
特に今日は春風が強い。

5/28〜6/15開催予定の個展も何とか方向性が定まり、
停滞気味だった制作が、ここ最近ようやく雪解けの兆し。

今回の個展も前回に引き続き、ローマが舞台である。
そして「黄金」に彩られた作品が多いのが特色だ。

ただし、この作品のように、
茶室の中に桜花が一輪、生けてあるような、
何故か私の中で「日本の美」を同時に意識している気配がある。

春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山際、少しあかりて、
紫だちたる雲の細くたなびきたる。
                ……枕草子

個展の詳細は後日改めて…。



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